第52回日本臨床免疫学会総会を開催するにあたり、まずこれまでの皆様のご支援にお礼を申し上げます。臨床免疫学会は、分野横断的に臨床に根ざした免疫研究を目指し、多くの領域の研究者が集うユニークな学会です。様々な診療科で次々と登場する分子標的薬は、臓器や疾患の特異性や相同性を浮き彫りにしました。さらに近年の網羅解析技術の発展は、解析に限界が多かった、ヒト免疫疾患の病態解明の推進に大きく貢献しており、今まさに本学会の重要性が高まっています。

今回のテーマは「集合知と多様性が拓く臨床免疫学」としました。集合知は、「一つの目的に向かって知的作業を行う個人の集団」と定義されています。これは多様な人から収集した知識や判断を蓄積し、ディスカッションを通して的確な情報を体系化し、個々の知だけでは創造できなかった最適解を導き出すことです。また、近年の網羅解析技術の進歩によるビックデータの集積は、集合知形成の大きなツールとなっています。分野横断的に多様性を持った研究者が集う臨床免疫学会は、まさに集合知活用に最適な場です。本学会では臨床・基礎、ベテラン・若手を問わずに、幅広い分野の先生方による集合知を極め、免疫疾患の病態の本質を解き明かしていただけることを希望しています。

今回の総会は、2024年10月10日（木）から12日（土）に、新宿の京王プラザホテルで開催します。今回から、若手の先生方が主催するU45セッションという新たな企画も始まります。本総会を通じて、会場で熱い議論を交わし、新たな発見や繋がりを築いていただけることを願っています。東京もようやく秋の訪れを感じられ快適な季節です。多くの先生方のご参加を心よりお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。