第51 回日本臨床免疫学会会長
金井 隆典
慶應義塾大学医学部内科学(消化器)
日本臨床免疫学会は、臓器横断的に免疫疾患の理解を深めるために、多領域の研究者が結集するユニークな学会です。基礎領域においては免疫学のみならず、生化学、生理学、薬理学、病理学、遺伝学などを巻き込んだ議論、臨床領域においてはほぼ全ての診療科を巻き込んだ議論(特に、臓器の相同性と相違性の本質の議論)ができる本邦においても極めて貴重な学会といえます。さまざまな診療科で次々と登場する生物学的製剤をはじめとする新薬の登場を多彩な角度から検証したり、逆トランスレーショナル研究を展開したり、本学会の役割は益々重要な時代となってきています。また、今回、第60回日本消化器免疫学会総会と合同開催というユニークな形式で開催します。全ての免疫疾患に関わる栄養、腸内細菌、腸管免疫学、腸管神経叢など消化器免疫学が積極的に取り組む領域は全ての臨床免疫学会会員の皆さんに新たなインスピレーションをもたらすものと信じております。是非、両学会間を上手にハシゴして有益な創造のひとときなることを願っております。今回、両学会共通のテーマとして“格致日新(かくちにっしん)”とさせていただいております。基礎や臨床に潜む本質や真理を探究し発見し続けること、そのためにも、多くの若手研究者が次々と参加してくれ、本学会を将来に引き継いでくれることを願ってやみません。